You raise me up

2024年8月初旬、「女声コーラスアコルデ」のHPお問い合わせに1通のメールが届きました。その内容というのは、ある映画でコーラス隊として出演して頂きたい!というものでありました。当然これまで映画出演オファーなど受けたこともなく、驚愕と同時に高揚感が湧き上がりました。早速、指揮指導者國土潤一先生にご相談をさせて頂きました。もし本当にお受けすることになるのでしたらしっかりレッスンをして臨みたい!と思ったからです。
2024年8月21日、(株)キノフィルムズ 武部由実子プロデューサー、東映音楽出版(株)津島玄一社長のお2人お揃いで、アコルデのレッスン日に合わせご挨拶にいらして下さいました。映画の題名も、どなたが主演かもお話しできないという中で、コーラス隊出演オファーに困惑致しましたが、お受けさせて頂くことと致しました。それからというもの頂きました楽曲のレッスンがスタート致しまして、2024年8月25日スタジオ録音、2024年9月6日・7日ロケと、目まぐるしく進みました。

映画の主演は、大女優「吉永小百合」さんであるということを知りましたのは、2024 年8月25日のスタジオ録音の日です。小百合さんがソロで主旋律をお歌いになられ、私達4名はバックコーラス隊ということで、初の映画出演をさせて頂くことになりました。そして、2025年10月31日「てっぺんの向こうにあなたがいる」の映画上映スタート!

「You raise me up」という楽曲は、映画出演オファーがなかったらコーラスとして歌うという選択もなかったことでしょう。折角頂きました素晴らしい楽曲をできるなら、アコルデメンバーで主旋律とコーラス部分を2声に分け、ステージで歌うことができたらと意見が纏まりまして、「さわやかミニコンサート」でご披露させて頂くことを目標に、レッスンに取り掛かりました。主旋律を複数人で、しかも日本語アレンジが難しくて、何度も何度もレッスンを重ねました。前奏、間奏、後奏のアレンジは、全てアコルデ専属ピアニスト葛貫杏梨先生にお願いしました。間奏の美しいアレンジ、そして転調して歌に入るフレーズは、歌い出しがスムーズにいくようなアレンジになっています。
英語の原曲を日本語に訳した歌詞は、感動的に表現したものが多く、今回「てっぺんの向こうにあなたがいる」という映画は、登山家田部井淳子さんの人生を描いたドキュメンタリー映画であり、それに相応しい歌詞が付けられています。
「かなしみにしずむとき くるしみにたえるとき」このような歌詞でスタートするのですが、悲しみに沈む、苦しみに耐える、これは意味が違います。それをどのように表現するか?國土潤一先生の熱いレッスンがスタートしました。転調後のラストの歌詞「‥‥わたしはつよくなれる あなたがいてくれるから‥‥」
田部井淳子さんのアルピニストとしての苦悩、病と向き合った人生の心の支えとなったのは、愛する旦那様が側にいてくれたから!このシーンが映画のハイライトシーンになっています。
誰にでも心の支えがあって、様々な人生を乗り越え生きていく!という前向きなメッセージを心に留め、アコルデヴァージョン「You raise me up」を歌わせて頂きました。

寺脇千恵